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執筆者の写真tatsuro mizukami

自律神経失調症の対処と鍼灸に出来る事

更新日:8月22日

多くの方が原因のわからないまま、さまざまな症状で苦しんでいる『自律神経失調症』

その対処法と鍼灸やマッサージで出来ることをお伝えします。



頭痛やめまい、不眠などで病院を受診しても特に異常が見つからない場合「問題ないです」とか「自律神経の問題ですね」とか言われることが多いですよね。そして「自律神経失調症か〜」と、変に納得して何も対処をされない方も多いと思います。


「自律神経失調症」は正しく対処すれば改善することも多い疾患です。


自律神経失調症の対処法を学んでいきましょう。



そもそも自律神経とは


自律神経とは、たとえば心臓や消化など自分の意志でコントロールできない全身の働きを、まさに「自律的」にコントロールしているシステムのことです。


日中に 優位に働く「交感神経」と

夜に 優位に働く「副交感神経」があります。


交感神経は活動のための神経で、副交感神経は休息のための神経です。


交感神経の働き:アドレナリンがでる、脈が早くなる、呼吸が早くなる、血圧上昇、発汗促進、口が乾くなど


副交感神経の働き:アセチルコリンがでる、消化促進、排尿、排便、涙の分泌、リラックス、安静化など


ポイントは、交感神経と副交感神経はどっちが優位の方が良いというものではなく、適切なタイミングでそれぞれがちゃんと働くことが大事なのです。



自律神経失調症のパターンは大きく3つ


上記のように、自律神経は交感神経と副交感神経のバランスがとても大事で、それが崩れている状態を「自律神経失調症」と呼びます。


自律神経失調症には次の3つのパターンがあります。


  1. 交感神経が強すぎるタイプ

    ストレス過多で多忙な方に多いタイプ。交感神経の働きが強く、スイッチをOFFにできない状態。主な症状としては  不眠、口渇、血圧上昇、頭痛 などがあります。                                    

  2. 副交感神経が強すぎるタイプ

    長期の身体的、または精神的なストレスにさらされて交感神経が疲弊し、擦り切れてしまって相対的に副交感神経が強く働いている状態。常にスイッチOFF。

    主な症状としては 体のだるさ、めまい、肥満、耳鳴り などがあります。    

  3. 交感神経、副交感神経両方とも弱いタイプ

    睡眠障害や栄養のかたより、過労などによりどちらの神経も疲弊してうまく作動しない状態。

    主な症状は 慢性疲労、全身の痛み、関節痛などがあります。


     、


自分で出来る対処法

対処法その1 - 規則正しい生活


自律神経は生活のリズムから多大な影響を受けます。というか生活のリズムに合わせて作動するのが正常な状態ですので、その生活リズムが不規則であれば正しく作動しないのはある意味当然とも言えます。毎日決まった時間に起きる、寝る、食事をすることを心がけましょう。



対処法その2 - 環境を整える


自律神経は交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズであれば正常と言えます。眠る際は部屋を暗くして音も静かの方が副交感神経への移行がスムーズになります。また起きる際もカーテンを開け太陽の光を浴びる事で、交感神経への切り替えがスムーズに起こり、すっきり1日を始める事ができます。


対処法その3 - ストレスをコントロールする


ストレスには精神的なストレスと身体的なストレスがあり、そのどちらも適切にコントロールできなければ自律神経の正常な働きを阻害します。現代社会で生きていく以上、誰でもストレスは感じているかもしれませんが、コントロールするということは必ずしも完全になくす事ではなく、好きなことをしてうまく発散したり、嫌な人とは距離を置く、頑張りすぎないなど自分にあった方法を見つける事が大切です。


対処法その4 - 呼吸法


呼吸法は、自分でできる自律神経へのアプローチとしては最強の方法だと思います。

自律神経は基本的には自分の意志ではコントロールできませんが、呼吸だけは自分の意志でコントロールする事ができます。


  1. スイッチオフの丹田呼吸

    交感神経が強すぎるタイプの方に行って欲しいのが『スイッチオフの丹田呼吸』です。寝る前やイライラしているときにスムーズに副交感神経を刺激しリラックスの助けになります。

      やり方

    1. リラックスできる姿勢でおへその下(丹田)に手を当てる。

    2. 丹田を凹ませるように、口からゆっくりと息を吐き切る。

    3. 丹田に空気を溜めるようなイメージで息を深く吸う。

    4. 吐く方を長くゆっくりを意識しながら2.3を繰り返す。


  2. スイッチオンの丹田呼吸

    副交感神経が強いタイプの方にオススメなのが『スイッチオンの丹田呼吸』です。

    朝起きた時やだるいなと感じた時など交感神経を刺激してスッキリした状態に導きます。

      やり方

    1. リラックスできる姿勢でおへその下(丹田)に手を当てる。

    2. 丹田を凹ませるように、口からゆっくりと息を吐き切る。

    3. 丹田に空気を溜めるようなイメージで息を深く吸う。

    4. 最大に丹田が膨らんだ状態でお腹に力を入れて腹圧を上げます。

    5. 3〜7秒くらい息を止めます

    6. 2~5を繰り返す。




鍼灸マッサージに出来る事

鍼灸やマッサージには『気』をコントロールし、血流を改善する効果があります。


また、神経伝達物質やホルモンを適切な状態に調節する効果があり、その効果により、幸せホルモンと言われるセロトニンの放出を促したり、ストレスホルモンのコルチゾールを減少させる事が分かっています。


また自律神経失調症のほとんどの方にある、肩こりや首のこり、背中の張りなどを改善する事で、呼吸を深くする事が期待できます。


βエンドルフィンの分泌を促す、リラクゼーション効果も鍼灸マッサージには期待できます。


病院の薬に比べて、副作用が少ない鍼灸マッサージと日々のセルフケアを組み合わせて対処する事が自律神経失調症には効果的だと思います。「原因不明の不調」でお悩みの方は鍼灸マッサージをご検討ください。



自律神経失調症かな?と思ったら

自律神経失調症の原因の中には、 癌や狭心症など重大な疾患が隠れている場合もあります。まず一度は必ず病院の診察を受けることをおすすめします。


重大な疾患がないような場合は、鍼灸マッサージやセルフケアを行っていきましょう。

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